赤い薔薇の下で【六花の翼コラボ】
……しかし、まだまだ付き合い始めの二人。
もっと相手と会いたい、話したい……という気持ちが高ぶった末に、二人はとある約束をした。
曰く、
『薔薇』の校章で合図をしたら、昼休みに秘密の庭で会おう――と。
太一が置いた事が一目で分かるように、【秘密】という意味のある『薔薇の下』という慣用句を引っかけて、校章の裏に『under』を書いた。
……と、そこまで二人が説明した時。
「…一つ、質問がある」
二人の説明を静かに聞いていた瑛が、スッと手を挙げた。
「まりあと鬼頭は、『赤い薔薇』が机の上に乗っていた、と証言していた。
しかし太一。お前は一年であり、校章の色は白。しかもその校章は現在、お前の制服についている。…一体、どういう事だ?」
ぶつけられた質問にスラスラと答えてみせたのは、清良だった。
「……『under』を書いたのは、私の校章の予備よ。以前失くした時に、先生から二つもらったの」