赤い薔薇の下で【六花の翼コラボ】




「謝る事が違うよ、清良。私は別に、迷惑かけられたなんて思ってないし。

ここにいる皆も…振り回されたとか、迷惑だとか、そんな事は絶対に考えてないよ」


「いや…俺はちが、」


「考えてませんよね!?」


「…………ああ」



雰囲気をぶち壊そうとする瑛を笑顔で制しつつ、神無は口を開くと



「でも、他の事では怒ってるよ。……ね、まりあ」



そう言って、まりあの隣に立った。


まりあは最初、訳がわからないといったふうに戸惑っていたけれど、すぐに意味を察すると



「……うん、確かに。私はすごーく怒ってるよ…もちろん、太一にもね」



笑顔を作り、太一の方へにじり寄る。


そして、一瞬の静寂の後――。



「「どうしてそんな美味しい話、教えてくれなかったのよぉー!?」」



神無は清良へ、まりあは太一へ、それぞれ同時に飛び掛かった。




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