わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
弐参
彼が笑いながら近づいてくる。
でも…
夕方に見せてた笑顔じゃない。
あざけるような笑みで言った。
「それはもういい。おれがこの手で殺してやるよ」
でも、それはできないって言ったよね。
だから、自殺させようとしたんじゃなかったの?
彼の手を見る。
あのときと同じナイフが握られていた。
いや、正確には握ってない。
彼の手の前で、
ゆらゆら浮いている。
でも…
夕方に見せてた笑顔じゃない。
あざけるような笑みで言った。
「それはもういい。おれがこの手で殺してやるよ」
でも、それはできないって言ったよね。
だから、自殺させようとしたんじゃなかったの?
彼の手を見る。
あのときと同じナイフが握られていた。
いや、正確には握ってない。
彼の手の前で、
ゆらゆら浮いている。