わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
弐陸
彼は諭すような口調でしゃべる。

(お前はもう、未来に向いて歩かないと
…明日は何の日か知ってるか?)


明日って…

たしか、24日。

あっ。

あと数分だ。

「明日は、クリスマスイブだったね…」

そのとき…

真暗なベランダの向こうに、
キラキラと光るものが見えた。

(手を、出して)

わたしは素直に、左手を差しだす。

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