わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
録音されてる声。

だけど…

そこに聞こえてるのは彼のナマの声色。

嬉しかった。

懐かしかった。

だけど…

彼が携帯に出ることはもう、ない。

そのうち録音の声も聞けなくなるはず。

そう思うと…

どっと寂しさがこみあげてくる。


携帯を持つ指にキラキラ輝く指輪。

それが全てを語っている。

彼は、もうこの世界にいない…


この現実を受け入れて、

頑張っていくしかないんだ。

そう思ったとき、携帯が鳴った。
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