わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
それをかき消そうと、

わたしはテレビをつける。

どの番組もクリスマスの話題ばかり。

画面の向こうは、浮かれた別世界。

別世界…

彼もそうなんだ。

彼はもう、テレビなんて見れないよね。

何して過ごすんだろ…

こことあまり変わらないならいいけど。

一度はわたしも行こうと思った場所。
ほんとに彼と一緒なら、行きたかった。

でも、彼はそれをさせなかった。

だから、わたしはいま生きてる。
だから、テレビをいま見ている。

関心はないけど…

画面の向こうでは時間が進んでる。
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