わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
家に到着し、鍵を開ける。

ほっ。

崩れるように、玄関に思わず座り込む。

すると…

「おかえり」

この声はやつ。

だけど、身体は疲れきって
彼の足元を見るのがやっと。

幽霊なのに、足あるんだね。

彼はにたにた笑いながら、言う。

「さっきは、あと少しだったな。肝心なとこで、邪 魔が入った」

邪魔って、なに?

もしや、これも幻覚?

なんかさっきより、
彼が黒っぽく見える。

…気のせい?

彼はわたしを手招きする。
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