わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
拾参
うとうとしながら午後の授業を受ける。

そのとき、

「眠いよな」

あっ、彼!

…じゃなくって、

あいつ、の声が聞こえた。

うとうとの夢からの声、じゃないよね?

彼の席に目をやった。

うっすらと背中が浮かび上がってる。

まるで影のように…

他のみんなは気づいていない。

やっぱり、わたしだけ見えてるんだ。

あいつの声が、耳元あたりで聞こえる。

「机にこんなもん置きやがって。それで終わりか、 寂しいもんだよな」
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