わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
でも、事実かもしれないな。

人間なんて、みんな自分勝手なだけ…

指差された子の背中を授業が終わるまで

ずっと睨みつけながら考えていた。


放課後、わたしはあの人に声をかけて、

今日あったことを、打ち明けた。

その応えは、

「あー、あの子はもう関係ないよ。過去、過去」

だって。

でも、彼女は…違うよ。

「無視したらいいし気にしないで、すぐに収まるって」

それって、わたしに我慢しろってこと?

あなたは守ってくれないの?

わたしの顔色が変わったのを察したのか

それから慌てて、

「女って怖いから、なんかあったらまたいつでも教えてね」

と付け足して足早に走り去った。

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