わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
これは生きた人間のまなざし…

振り返ったら、負け。

わたしはまっすぐ進み、正門を脱出。

やっと一日、終わったか。


はーっ、とひと息ついたとき…

「みじめだな」

あいつの声がした。

「でも、人間なんか所詮そんなもんだろ」

声には出さなかったが、まったく同感

と思った。

「おれを裏切ったお前もその仲間だ」

たしかに…そうかもね。

わたしは、人殺し。

しかも、

クラスの人気者を奪った最低なおんな。

「今のお前にはその格好よく似合うぞ」

裸足姿がよく似合うか…

ふっ、なんか笑えてくる。
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