わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
わたしは、信号の前に立った。

国道だから…

この前のときより車の速度が速い。

通り過ぎるたびに、風が体中に当たる。

突き刺すような冷たい風。

足がなかなか前に進まない。

そんな、わたしに…

彼が真後ろから冷たく言う。

「さあ、行けよ」

前を見たら怖くて進めない。

足元だけを見て、

少しずつ前に進む。

そのとき…

あれ?

なんか、おかしい。
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