わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
それが消えたから、

影はしゃべらなくなった?

わたしは彼に目で語りかける。

彼は暖かい眼差しで応える。

それからわたしに、

「おい、これ忘れ物だっ」

そう言ってわたしに携帯を手渡した。

「壊れてはないみたいだけど、もう凶器には使うんじゃないぞ」

彼は笑いながら言う。

いつも見ていた笑顔。

二日しか経ってないのに懐かしかった。
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