わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
自分の影に笑顔で言った。
「ずっとわたしを見守っててね。あなたががっかりしないよう、しっかりと生きていくよ」
わたしはゆっくり歩き出す。
影はちゃんとついてきてくれる。
ふと、二人でデートをしてた
ときのことを思い出した。
あなたはいつも…
わたしのゆっくり歩くペース、
それに合わせるように、歩いてくれた。
「なんか、あのころみたいだね」
影にささやく。
懐かしい感覚を思い出しながら…
わたしはいつもよりゆっくり
家路に向かった。