月とドーナツ【短編】
月とドーナツ
彼女
見ていると
彼女はあっという間に顔中に粉を叩きつけ、最後に小さめの唇を強調するかの様に真っ赤に塗った
何とも言えない匂いを体中につけると、忙しい彼女は玄関先へと向かう
そして、漸く僕の名前を呼ぶんだ
名前を呼ばれた僕はベッドから飛び降りると彼女の元へと急ぐ
玄関先で彼女は僕を抱き寄せ軽めのキスをする
そして耳元で言うんだ
『行ってくるね』
って
彼女は重そうにドアを開けると、振り返ることもなく、外の世界へと行ってしまう
そんな彼女を僕は一生懸命見送るんだ
目一杯、尻尾を振って…
そう、僕の尻尾
僕には尻尾がある
だって、僕は犬だから…
彼女はあっという間に顔中に粉を叩きつけ、最後に小さめの唇を強調するかの様に真っ赤に塗った
何とも言えない匂いを体中につけると、忙しい彼女は玄関先へと向かう
そして、漸く僕の名前を呼ぶんだ
名前を呼ばれた僕はベッドから飛び降りると彼女の元へと急ぐ
玄関先で彼女は僕を抱き寄せ軽めのキスをする
そして耳元で言うんだ
『行ってくるね』
って
彼女は重そうにドアを開けると、振り返ることもなく、外の世界へと行ってしまう
そんな彼女を僕は一生懸命見送るんだ
目一杯、尻尾を振って…
そう、僕の尻尾
僕には尻尾がある
だって、僕は犬だから…
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