月とドーナツ【短編】
希望
『コタロー、コタローッ』
おいおい、止めてくれよ
何で最後の最後にお前の声聞かなきゃいけないんだよ
気安く呼びやがって…
『ほら、水、水飲めって』
その声に漸く反応できた僕は、ひたすら水を飲んだ
ひとしきり水を飲むと、奴は僕をギュッと抱きしめた
『ごめん、コタロー。ずっと気になってたんだけど彼女の側を離れられなくて…だけど、もう大丈夫だ。心配するな』
僕は奴の顔をジッと見つめた
すると、通じたのか
『ああ、また彼女に会えるよ』
と言った
その言葉を聞いて僕は、奴の頬を舐めた
髭がザラザラして嫌だったけど、舐める事を止めなかった
僕なりの
犬なりの
愛情だ
おいおい、止めてくれよ
何で最後の最後にお前の声聞かなきゃいけないんだよ
気安く呼びやがって…
『ほら、水、水飲めって』
その声に漸く反応できた僕は、ひたすら水を飲んだ
ひとしきり水を飲むと、奴は僕をギュッと抱きしめた
『ごめん、コタロー。ずっと気になってたんだけど彼女の側を離れられなくて…だけど、もう大丈夫だ。心配するな』
僕は奴の顔をジッと見つめた
すると、通じたのか
『ああ、また彼女に会えるよ』
と言った
その言葉を聞いて僕は、奴の頬を舐めた
髭がザラザラして嫌だったけど、舐める事を止めなかった
僕なりの
犬なりの
愛情だ