甘い姫のスパイス達
*遥side
あーくそ。
今日に限って客が多い。
いわゆる営業スマイルを
女たちに向けながら仕事をする
「ねー遥ー!」
甘い声を出しながら俺に
抱きついてくる女の腰に
手を回して微笑みながら耳元で囁く
「なに?」
正直香水がキツくて駄目だ、
真っ赤に染まる女を見て
俺も微笑んでみせた
「「「いらっしゃいませー!」」」
その声を聞いて
なんとなく入ってきた女を見た
1人はモデルのようなスタイルで
いかにも大人びた綺麗な女
常連の沙夜ちゃん。
まぁ…一度席を一緒にした
あと一人は小さくて沙夜ちゃんの
後ろで涙目になりながら
店に入ってきた女。
栗色のふわりとしたミディアム
くらいの髪を軽く巻いて
大きな瞳に薄い唇に白くて
透明な肌
俺は一瞬で目を奪われた