甘い姫のスパイス達

忘れ物は赤い糸



ーパタンッ


喫茶店の裏の扉から中に入っても
誰も居なかった


着替えなきゃ…


鞄から喫茶店専用の制服を
取り出して更衣室で着替えてから


長めの髪をひとつにくくった


「よし、頑張ろう」


私は気合いを入れてお店へと
入って従業員の皆と挨拶を交わす



「おはようございます!」

「あ、莉亜ちゃんおはよう」


カップを磨く手を止めて
優しく微笑んでくれたのは
入ったころから憧れてる


唯先輩。綺麗な人



「あ、おはようございます!」

「……………はよ、」



タキシードをかっこよく着こなした
彼は 咲(しょう)さん

かなりイケメンなのに
無口で無愛想だから


なんとなく絡みにくい人





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