甘い姫のスパイス達
「え…ブレスレット」
カウンターに肘をついて
ブレスレットを見せびらかすように
ブラブラとしている
私は慌ててつけていたはずの
腕を見てもなくなっていた
なんで気づかなかったんだろ
大事な蓮の花のブレスレット。
「あ、ありがとうございます」
受け取ろうとしたら
ひょいっと取られてしまう
「外で待ってる」
そう言うとコーヒー代をおいて
私の頭を撫でてから店を出た
「あ、私上がりますっ!!」
さすがに暑い外で
遥斗さんを待たせるわけにもいかない
咲さんに頭を下げると
咲さんは笑って見送ってくれた
事務所に入って
急いで着替えを済ませて
事務所を出た