REALWORLD
新入生オリエンテーションもようやく終了し、片付けもほどなくして終わった。
「西野先輩、その荷物持って行きます。私、生徒会室に用事あるんで」
西野先輩が持っている荷物を指差す。
「でもこの荷物重いし…」
「大丈夫です、力仕事には自信あります!」
「んー…あ、心くん!ふたりで行ってきて?」
西野先輩が呼んだのは、同学年の生徒会庶務・九里心(クノリシン)。
すごく物静かで、頼りになる人。
「ごめん、心くん。なんか道連れにしちゃって…」
生徒会室にむかいながら、私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「気にしないで、仕事だし」
微笑む心くんを見ながら、微笑って人によってこんなに違うのかって思った。