REALWORLD

何事にもルーズで、傍若無人。


それは恋愛についても。


向井先輩は【来る者拒まず、去る者追わず】。


それはいいのだが、場所が問題。


カチャリと音がして、ドアが開く。


「…最中じゃなかったんですね」


「いやだな、何もしてないけど」


先に生徒会室に入った心くんが苦渋の表情をとっていた。


「あの…ガラス、割れてます」


慌てて中に入ると、女物の強い香水の香り、そして…


「…割れてる」


「さっき話してたら揉めた」


平然とした顔で言う会長に、殺意を覚えたのは一度や二度ではない。


だけど、それより先に。


「会長、手…」
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