REALWORLD
「でも会長って女の子にモテる要素、かなり持ってるじゃない」


美玲先輩が今しがた来たばかりの会長をがしっと掴んで、説明を始める。


「まずこの顔!」


「…美玲、イタイ。」


惜し気もなく、会長の頬をぐいっと摘んで示す。


会長の非難の視線を無視するなんて、美玲先輩はさすがだ。


「かなり綺麗な顔立ちでしょ」


頷きながら、今度は五島先輩が唇をぐいっと摘んだ。


「ぅんんっ」


…あれは痛そう。


「コイツこれがスゴいんだよ」


「ああ、口が上手いってことですか」


それなら分かる。


だけど、五島先輩は首を横に振ってニヤリと笑った。


「横山、口の使い方はもうひとつあるだろ」
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