REALWORLD

そんな会話をぽんぽん繰り広げる。


これがいつもの私たち。


今日は新入生のための集会ということもあって、生徒会メンバーは朝から職務に追われていた。


そんな忙しい中で、いつもどおり近すぎるほどの距離での私に微笑みかけるのは、この学校の生徒会長。


「そんなに何度も確認しなくてもなるようになるよ」


「不甲斐ない上司を持つ会社員の方は大変ですよね」


会長を一瞥して、私はまたマニュアルに目を落とした。


「それは厭味かな、奏」


「ただ思っただけです」


私、横山奏はこの学校の2年で、生徒会副会長を務めている。


1年時に学級委員長を務めたというだけで、何故か副会長に抜擢された。


「奏」
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