シアワセ
『初めましてっ。
道井純也(みちいじゅんや)って言います。野球が好きでピッチャーっす。こんな奴ですがどうぞヨロシク』
柔らかい…そんな言葉が似合う声。なんだか耳に心地良い。そこからはとんでもない言葉が出てきた。


野球。


わたしは野球が嫌い。
その原因はプロでもある父にある。


はっきり言ってうち父は野球選手ということもあり結構モテる。

それをいいことに父は遊びほうけ、生活費すら家に持ってこない。その為母さんはわたしの学費と生活費の為に働いた。

そして１年前亡くなった。
わたしは父を恨んでいる。そして野球も。なぜ野球まで恨んでいるか分からない。ただ、父を連想させるもの全てが許せなかった。

まあ今はそこまで気にならなくなった。でもわたしの野球嫌いは結構有名…

野球部の練習を友達に付き合って見ていたら自分でも気付かないうちに泣いていた。しかもおっきい声で。なんだなんだと野球部員達は練習中断。

そしていろんな人達の口によりそのことがたくさんの人に伝わり、わたしの野球嫌いは有名になった…。


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表紙・目次

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