別の手を選んでも(短編)
 私は、忙しく瞬きした。

 前の学校でもしたことあるけど、でも、大丈夫かな?

 ちょっと、不安。



「山本、転校してきたばっかりだけど、いきなり、学級委員引き受けて大丈夫か?」



 ちょっとだけ心配そうに、北村先生がきいた。

 

「え・・・えっと」



 みんなの視線がまた、集まる。

 また下を向きそうになる。




「大丈夫」



 陸がいった。

 そして、笑った。



「おれがついてるから、大丈夫。心配無用だって」



 その笑顔はとても優しくてあったかくて、私を安心させてくれた。

 言葉通り、大丈夫だって思えた。

 
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