別の手を選んでも(短編)
 メールを送れば、必ず、遼は返してくれる。

 でも、遼からは送ってくることはほとんどなくて。

 気がつくと、回数は日を追うごとに減っていって、やがてゼロになった。

 アルバイトしてお金をためて、遼に会いに行きたいと思っていたこともあった。

 でも、計画倒れ。実行していない。あまりにも、遠すぎる。

 

 遼と私を隔てている距離は現実的にも遠くて、気持ちはどんどん離れていくばかりのような気がしていた。

 私は、遼のことが好きだといったけれど、彼は私のことをどうおもっていたのだろう?



 あの夜・・・

 私は答えなんていらないっていったけれど



「おれは、」



 って、あの後、どんな言葉を続けてくれようとしたのだろう。

 今更だけど、知りたい。



 遼は私のことを、すこしでも幼なじみ以上に、好きでいてくれたかな?


 
 知りたくても、もう、叶わない。

 

  

< 14 / 33 >

この作品をシェア

pagetop