別の手を選んでも(短編)
3
初めて、陸の気持ちを知ったのは、中学校の卒業式の日だった。
たった一年しか通わなかったけど、たくさんの思い出が出来た。
親友とも言える友達も出来たし、楽しいこといっぱいあった。
つらいこともなかったといえばうそになるけど、陸がいつもそばにいてく助けてくれたから、乗り越えることが出来た。
私はとても幸せなのかも、しれない。
ううん、幸せなんだ。
「芽生!」
気がつくと、陸が傍らに立っていた。
さっきまで同級生や後輩に囲まれて、写真を撮られていた陸の腕にはたくさんの花束。
陸は人気がある。
顔も、遼のきれいで整った顔に見慣れていた私は、最初意識しなかったけど、かなり整っている。
背はかなり高くて、バスケット部の主将を引退するまでしていたんだ。
金色がかった茶色の髪は地毛で、別に染めているわけじゃないと、後から知った。
切れ長の瞳は、少し紺色をしている。
「これ、あげるよ」
いいながら、どっさりと抱えていた花束の山を、私にくれた。
ぶわっと、花の香りが漂う。それに、かなりの量で重い。
たった一年しか通わなかったけど、たくさんの思い出が出来た。
親友とも言える友達も出来たし、楽しいこといっぱいあった。
つらいこともなかったといえばうそになるけど、陸がいつもそばにいてく助けてくれたから、乗り越えることが出来た。
私はとても幸せなのかも、しれない。
ううん、幸せなんだ。
「芽生!」
気がつくと、陸が傍らに立っていた。
さっきまで同級生や後輩に囲まれて、写真を撮られていた陸の腕にはたくさんの花束。
陸は人気がある。
顔も、遼のきれいで整った顔に見慣れていた私は、最初意識しなかったけど、かなり整っている。
背はかなり高くて、バスケット部の主将を引退するまでしていたんだ。
金色がかった茶色の髪は地毛で、別に染めているわけじゃないと、後から知った。
切れ長の瞳は、少し紺色をしている。
「これ、あげるよ」
いいながら、どっさりと抱えていた花束の山を、私にくれた。
ぶわっと、花の香りが漂う。それに、かなりの量で重い。