別の手を選んでも(短編)
「さようなら、みたいなこというなよ」

「でも」

「だって、おれたち、高校もいっしょだろ?」



 そう。陸と私は、同じ高校に合格して、四月から入学することが決まっている。

 正直、びっくりした。

 陸はバスケットの強いほかの高校に行くと思っていたから。

 私と同じ、進学校を受験するなんて、思わなかった。

 みんなが言っていたことを思い出す。



 陸は芽生と同じ高校に行きたいから、猛勉強したんだよ。バスケより、芽生を選んだんだって、絶対。

 

 そんなこと・・・。



 でも、陸はどうしていつもそばにいてくれるんだろう?

 いつまでも、頼り続けていいのかな?

 甘え続けていいのかなって・・・思ってしまう。



「私、いつまでも陸に・・・頼って、甘えてばかりでいいのかな」

「いいよ」



 私のつぶやきに、陸はすぐさま答えた。

 
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