別の手を選んでも(短編)
 二年の月日。

 私の中の、遼は中学生のまま。



 私はもう、あの頃の、私じゃない。



 陸とは入学してからも同じクラスで・・・いつもいつも、私のそばにいて、助けてくれている。



 そばにいるのが当たり前で・・・

 いなくなることなんて、考えられなくなっている。



 陸のことを好きなのかな・・・。

 遼よりも好きなのかなって考えることもあった。



 今、手に持っている携帯で、最初におくったメールは遼にだった。

 でも、遼もアドレスを変えているようで、届かなかった。

 

 --- 久しぶり、遼。話したいんだ。



 って、おくったんだけど、届かなかった。



 声を聞いて、自分の気持ちを確かめてみたかったの。

 今でも、遼のことが好きなのかって。



 やっぱり、初恋は叶わないんだね。



 私たちの糸はぷつりと、断ち切れた。

 

 
< 24 / 33 >

この作品をシェア

pagetop