ふーりっしゅ!
*出会い
ひらひらと桜の花びらが舞っていた。
風は冷たくても、うきうきして足が弾んでしまう。
入学式当日、
いつもこの辺りでは早く散ってしまう桜が運良く入学式の日まで咲いていて、
お母さんとは良かったねえなんて話したり。
式は何事もなく終わって、戻った教室でちょっとした自由時間をもらったあたし達新入生は、
早速名前紹介とか友達作りがはじまる。
「へえ、真白って名字なんだ」
「そうそう。たまに変な顔されるんだ。名前?名字?って」
「いいなーそういう経験してみたいわ。ウチなんて田中だからさ」
初の友達、田中三夏はけっこう豪快な性格の女の子らしい。
真っ白な歯が印象的で、髪をポニーテールにまとめてて見るからにスポーツ系女子。
笑うとすごく愛嬌がある。
普段からポニーテール? と聞くと三夏はぶんぶん首をふった。
髪ハネがひどすぎてこの髪型にしてきたとか。寝癖が強烈だったらしい。
そう言われて見れば、確かに右側がぴょこっとはねてる。
「あ、そうだ。あたしちょっとトイレ行ってくるね」
「ウチさっき行ったけど、案内しよっか?」
「大丈夫。意外と勘がいいから」
そう言うと、彼女は口を大きく開けて笑った。真っ白な歯が眩しい。
三夏は行ってらーと手をぶんぶん振って、他の子に話しかけに歩いていってしまった。
さっぱりしたところがいいなあ。
クラスに馴染めるか心配だったけど、
三夏みたいな子がいて良かった。
一安心?
あたしは和気あいあいとした教室を尻目に新品の制服をつまみながら、廊下に出た。
忘れてたけど、朝うっかり水をこぼしちゃったんだよね……。
新品なのに。最悪。
いちおう乾いたからよかったんだけど。
「んー、気持ちいなあ」
渡り廊下は風が吹き抜けていて、清々しい気分になって目を細めた。
楽しい。
すっごい、わくわくする。
何かが起こりそうな予感。
鼻歌交じりにトイレを探してると、
「……れ?」
ーーどこココ。
いや、まさかね。
「まさかと思うけど……迷子?」
風は冷たくても、うきうきして足が弾んでしまう。
入学式当日、
いつもこの辺りでは早く散ってしまう桜が運良く入学式の日まで咲いていて、
お母さんとは良かったねえなんて話したり。
式は何事もなく終わって、戻った教室でちょっとした自由時間をもらったあたし達新入生は、
早速名前紹介とか友達作りがはじまる。
「へえ、真白って名字なんだ」
「そうそう。たまに変な顔されるんだ。名前?名字?って」
「いいなーそういう経験してみたいわ。ウチなんて田中だからさ」
初の友達、田中三夏はけっこう豪快な性格の女の子らしい。
真っ白な歯が印象的で、髪をポニーテールにまとめてて見るからにスポーツ系女子。
笑うとすごく愛嬌がある。
普段からポニーテール? と聞くと三夏はぶんぶん首をふった。
髪ハネがひどすぎてこの髪型にしてきたとか。寝癖が強烈だったらしい。
そう言われて見れば、確かに右側がぴょこっとはねてる。
「あ、そうだ。あたしちょっとトイレ行ってくるね」
「ウチさっき行ったけど、案内しよっか?」
「大丈夫。意外と勘がいいから」
そう言うと、彼女は口を大きく開けて笑った。真っ白な歯が眩しい。
三夏は行ってらーと手をぶんぶん振って、他の子に話しかけに歩いていってしまった。
さっぱりしたところがいいなあ。
クラスに馴染めるか心配だったけど、
三夏みたいな子がいて良かった。
一安心?
あたしは和気あいあいとした教室を尻目に新品の制服をつまみながら、廊下に出た。
忘れてたけど、朝うっかり水をこぼしちゃったんだよね……。
新品なのに。最悪。
いちおう乾いたからよかったんだけど。
「んー、気持ちいなあ」
渡り廊下は風が吹き抜けていて、清々しい気分になって目を細めた。
楽しい。
すっごい、わくわくする。
何かが起こりそうな予感。
鼻歌交じりにトイレを探してると、
「……れ?」
ーーどこココ。
いや、まさかね。
「まさかと思うけど……迷子?」