ふーりっしゅ!
さっきより校舎が古びてるような。
壁も黄ばんでて、年季が入った感じ。
塗装が剥がれかけた床に、こまかい亀裂がはいった天井。
心なしか全体的に暗くなった気がする。
「……」
もしかしてあたし、ほんとに迷子?
いや、まさか。だいじょうぶ。うん。
構造はさっきとあんまり変わらないみたいだし、教室っぽいのあるし。
焦ってぐるりと見回すと、
白いプラスチック製のプレートが教室みたいな扉にかかっているのが分かった。
「ええと、水泳部?」
ついでに隣の部屋のプレートも見ておく。
「トレーニング部?」
そういえば、さっき担任の先生が話していた部室棟って、ここのことだったのかもしれない。
ここの高校はどんなに小さい部でも部室が設けられているとか。
数年前校舎を新しく造って、古い方を部室棟としたらしい。
それなら古びているのにも頷ける。
それにしたって。
「どうしよう」
帰り道が、分かりません。