楓 ―KAEDE―
3・俺様の肉球とカエデの手
3・俺様の肉球とカエデの手
ルンルン。
今日はひさびさの森でお散歩。
俺様、
ゴキゲンに鼻歌。
ちょっとだけ、
ハルカのお供でね、
紺色お空のこの世界を、
ルスにしてた俺様。
カエデに会えるのを、
とっても楽しみにしてたの。
ルンルン。
さぁ…
今日は、
何をお話しようかな?
青い虫さんに案内されて、
こないだと同じ場所に行ったのに…、
あれあれ?
黄色い光が、
なくなってた。
「…あれあれ?」
代わりにあるのは、
今度はね、
紺色お空の下に、
やっぱり小さな、
赤ーく光る樹だった。