楓 ―KAEDE―
女の子のお家には、
すぐに着いたよ?
だって、お庭だもんね?
「楓が赤くなってたよ?」
お母さんにそう言ったら、
ニッコリ笑って、
俺様の頭に手を伸ばした。
「あらあら、本当だね」
お母さんが手にしたのは、
赤い楓の葉っぱ。
「楓の木が、晃にお土産をくれたんだねぇ」
「おみあげ?」
「晃の頭に乗ってたよ?」
「おぉ!」
優しい楓は、
お母さんも笑顔にしてくれた。
みんなで、にこにこ。
うれしいね?
みんなが、
楓を大好きなんだね?