楓 ―KAEDE―


俺たちは一生懸命考えて、
何個か名前を出し合って、

でも、
まだ考え中だったんだけど…。



ヒラヒラ…
ヒラヒラ…

ついつい、
この楓の木に足を運んで、
俺たちは和んじゃう。



「…で、名前、決まった?俺様、決まった~」

「…ん~?多分同じ事を考えてるよねぇ?」

「――だなっ!!」



「……で、晃ちゃんの『大変』は何だったの?」


………んん?


「――…はっ!!そうだった!!」

「……?」

「――大変っ!!病院!!母さんから電話!!おばちゃん!!大変っ!!産まれるっ!!」


「……――きゃあぁぁっ!!何でそうゆう事を先に言わないのぉっ!?晃ちゃんのバカぁーっ!!」


いつでも、
相変わらずの俺たち。

慌てて駆け出す背中で、
サワサワ…って、

楓が笑ってた。



< 27 / 31 >

この作品をシェア

pagetop