楓 ―KAEDE―
俺たちは一生懸命考えて、
何個か名前を出し合って、
でも、
まだ考え中だったんだけど…。
ヒラヒラ…
ヒラヒラ…
ついつい、
この楓の木に足を運んで、
俺たちは和んじゃう。
「…で、名前、決まった?俺様、決まった~」
「…ん~?多分同じ事を考えてるよねぇ?」
「――だなっ!!」
「……で、晃ちゃんの『大変』は何だったの?」
………んん?
「――…はっ!!そうだった!!」
「……?」
「――大変っ!!病院!!母さんから電話!!おばちゃん!!大変っ!!産まれるっ!!」
「……――きゃあぁぁっ!!何でそうゆう事を先に言わないのぉっ!?晃ちゃんのバカぁーっ!!」
いつでも、
相変わらずの俺たち。
慌てて駆け出す背中で、
サワサワ…って、
楓が笑ってた。