赤い糸のその先は…。
茶太郎に引っかかれた頭をさすりながらパジャマのままでダイニングに行くと、
「あらあら、早く着替えて顔を洗ってらっしゃい。」と雅恵さん。
「あははは。また、茶太郎にやられたんだぁ。いい加減に学習したら?」と、
雅恵さんの息子の健さん。
「大丈夫かい?見せてごらん。」と私に甘々なお兄ちゃん。
「もう、今日こそは絶対に爪を切ってやるんだからぁ。」
本当は、起こしてくれた事に感謝をしなければいけないのに、
朝から痛い思いをした私は、茶太郎に爪切りを見せつけて宣戦布告をした。
茶太郎はそんな私にはお構いなしに、
尻尾を揺らしながら雅恵さんにご飯をおねだりしている。
私を起こしたご褒美をもらいにね。
「ふふっ。ほんと、いいコンビねぇ。」