赤い糸のその先は…。

なんとなく、ボーっと室長とユキちゃんのやり取りを眺めていたら、


「ゆずちゃん、大丈夫?」って麻美ちゃんに声を掛けられた。


えっ?大丈夫って、何が?


「だって、ゆずちゃん、お兄ちゃんの事が大好きだったでしょ?」


そりゃあ、大好きで、大切な人だよ?


「うん。ビックリしたけど、私にはお兄ちゃんの幸せが一番だから...。」


そう、お兄ちゃんは、いつも私の事を大事にしてくれていた。


きっと、恋人の存在も分からないくらい、


私を一番に優先にしてくれていたんだね。


仕事が休みの時には、買い物に付き合ってくれたり、


一緒に映画に行ってくれたり、まるでお兄ちゃんの恋人気分だったもんね。


ごめんね、お兄ちゃん。


私って、お兄ちゃんの人生に負担をかけていたのかなぁ。


私が妹じゃなかったら、


お兄ちゃんはもっと自由に恋愛していたのかなぁって思うと、


なんだか、悲しくなってきた。



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