赤い糸のその先は…。

みんなが帰り支度を始めた頃、


課長もパソコンの電源を落として机の横の私のカバンを持った。


「帰るぞ。」


耳元でコッソリと囁くと、先にエレベーターに向かって歩き出した。


私も慌ててパソコンの電源を落として課長について行った。


「課長、本当に体調は悪くないので一人で帰れます。大丈夫です。」


「俺が、お前と帰りたいんだよ。」


「......。」だから、一人になりたいんだってばぁ。


課長に気付かれないように、フーッとため息をついた。


「やっぱり、なんかあっただろ?」


気づかれないようにしたのに、見られてた?




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