赤い糸のその先は…。
そこには、恋人同士のお兄ちゃんと室長がいた。
二人はカウンター越しに楽しそうに会話をしていて、
......そして、キスをした。
映画のワンシーンみたいな素敵な二人だった。
言葉を失って佇んでいると、お兄ちゃんが私に気が付いて驚いていた。
お兄ちゃんと目があったと思った時、
突然、後ろにいた課長に視界が遮られた。
両手で目隠しをされてしまったのだ。
「裕也さん、今晩‘ゆず’を借りていきますね。」
頭の後ろから聞こえる課長の声がそう言って、
私の手を引いて、店から出てしまった。