赤い糸のその先は…。
親同士が再婚しても、二人とも仕事ばかりであまり家に居なかったから、
雅恵さんはいつも私の傍にいてくれた。
両親が他界してからも、ずっと近くで私の成長を見守り続けてくれたのが
雅恵さんだったから、今じゃあ、何でも相談できる私のお母さんみたいなの。
でも、忙しい両親だったけど、ちゃんと覚えている事もある。
ママは、夜寝る前には必ず絵本を読んでくれたし、
料理人のパパは、誕生日にケーキを作ってくれた。
雷がヒドイ夜には、どちらかが早く帰ってきてくれて添い寝もしてくれた。
私が小学校に入学する前に二人が亡くなってからは、
しばらくはお兄ちゃんが代わりにしてくれていたけど、
さすがに、お年頃になった頃には絵本は必要ないし、雷なんて怖くないし、
添い寝は茶太郎の役目になっている。