赤い糸のその先は…。
着替えも済まして、呑気に食後のコーヒーを飲んでいると、
「あら? 今日は早く出勤するって言ってなかったかしら?」と、雅恵さん。
「あっ...忘れてた。今何時?
や、やだぁ、もう行かないと遅刻しちゃうよぉーっ!!」
「送っていこうか?」と、優しいお兄ちゃん。
「そうやって、裕也が甘やかすから、茶太郎に起こされないと起きない子になっ
たんだ。」と、イジワルな健さん。
「かっ、関係ないもん!こう見えても、仕事は出来る子なんだからね。私はっ」
「はいはい、行っておいで。」
クスクスと笑う三人の視線を後にして、澄ました顔をしながら、
私の愛すべき家族に見送られて玄関を出た。