赤い糸のその先は…。
「課長も、一応独身なので参加OKですよ?」
無謀にも課長まで誘っている幸田君の口を、田辺さんが慌てて抑え込んだ。
「すみません。課長は女に不自由されていないでしょうから、パスですよね。」
それでも、せっかくの田辺さんのフォローを台無しにしてしまう
怖いもの知らずの幸田君は、
「今回の合コンで僕、ゆずちゃん先輩の心を鷲掴みするつもりなんですよぉ。」
って、とうとう地雷を踏んじゃった。
不機嫌になった鬼課長のひと睨みで、二人は立ち去って行ったけど、
田辺さんには「また、後でね」って目で合図をされた。
「佐伯、会議がある。準備するぞ。」
「はっ、はいっ。」
「それから、室長、社長が呼んでた。」
「そっ、わかった。」