赤い糸のその先は…。

「再会といえば、僕たちも昔会ってるんだけど?」


「へっ?誰とですか?」


「もちろん、僕とユキちゃんだよ?」


ニコリと社長に微笑まれたユキちゃんが固まった。


私と麻美ちゃんも興味深々で二人を見入った。


「コウとゆずちゃんが初めて会った創立記念パーティーで、

君はお父さんと一緒に来ていたんだ。

そこで、僕たちも運命の出会いをしているのさ。」


あはははっ、乾いた笑いをしたユキちゃんは、


「やだなぁ、社長ったら。そんな作り話で、私を口説こうなんてぇ。」


って顔を益々赤らめた。


ゆきちゃん、酔いが回ってきた?


「だから今日、僕も運命の赤い糸をたぐり寄せてここまで来たんだよ。」


社長の一言にノックアウトされてしまったらしいユキちゃんは、


すっかり思考が停止しちゃってる。


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