赤い糸のその先は…。

「じゃあ、行ってきますね。」


課長は、お兄ちゃんと健さんと雅恵さんに


「よいお年を。」って挨拶をして私を連れ出した。


健さんには「三日ぐらいゆっくりして来ていいぞ。」って冗談を言われて...。


でも、課長は本気にしたのか「ありがとうございます。」って答えてた。


まったく、どっちが冗談で、どっちが本気なのか分からないよ。


私は、お参りをしたらちゃんと家に帰るつもりだし、


元旦の朝は、雅恵さんのお雑煮を食べるつもりだし、


みんなの筋書き通りにはならないんだからねっ



「健さんの許可も下りた事だし、俺のマンションに泊まってもいいぞ。」



「なっ///  何を言ってるんですかっ? 嫁入り前の箱入り娘が、

オオカミ独身男の部屋になんて泊まりませんよーだっ。」



「幼稚園児だな。その言い方。お前の方こそ何ムキになっちゃってるの?」


「べっ、別にムキになんてなってないし。」


「ふーん。」



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