赤い糸のその先は…。
「ゆずちゃんは、課長に付き合ってって言われたの?」
えっ? もう、ユキちゃんと社長の話題は終わったの?
この際だから、二人には今の私の気持ちを聞いてもらおうかな...。
自分でも自分の気持ちが何処に向いているのか分からないけど、
案外、ユキちゃんと麻美ちゃんには私の気持ちが見えているのかもしれない。
「うん、一応ね。初詣の時に言われた。」
「いいなぁ。ゆずは、ちゃんと課長に『付き合ってくれ』って言われたんだぁ。
じゃあ、なんの問題もないじゃん。
ゆずが『うん。』って返事をすれば、すぐに彼氏彼女だよ?」
でもね、そんな簡単な事じゃないの。
「課長はね、会うたびに気持ちを真っ直ぐ伝えてくれるんだけど...。
だけど、自分の気持ちが分からないの。課長の事が好きなのか分からないの。」
ユキちゃんは、いつも話の途中で割り込んでくるけど、
今は私の目を見て黙って聞いてくれている。
麻美ちゃんも、私の手を握りしめて頷きながら聞いてくれている。
二人になら話せそう...。
.....私は、少しづつ話し出した。