赤い糸のその先は…。
いつものお昼時。
ユキちゃんと麻美ちゃんに、一条直樹の事を話してみた。
「やっぱりさぁ、この前の誘いを思いっきり断ったから、
イジになってるのかなぁ。」
おまけに、投げ飛ばしちゃったし...。
「たぶん、男のプライドが傷ついたのね。」
「慰謝料請求されなくて良かったじゃん。」
そうなんだけどさぁ。
これじゃあ、幸田君の方がマシだよね。 害がなさそうだし。
「ちょっと、いいかい?」
あっ、田辺さん。
「珍しいですね。どうしたんですか?」
今まで、声を掛けてきても一緒にランチをすることがなかった田辺さんが、
『勇敢なゆずちゃんに感動したよ』って言いながら、
同じテーブルに座ってきた。
あちゃ、見られていたんですね?
バツの悪そうな顔をしていたら、
「営業課の三人だけど、いい噂は聞かないから気を付けた方がいいよ。」
「なに? どんな噂?」その手の話題はユキちゃんの大好物だもんね。