赤い糸のその先は…。

「はいはい、今日の所は退散しますよ。」


そう言って、一条は掌をひらひらとさせながら面白くなさそうに、


そのままフロアを出て行った。


ナンパ男が立ち去るまで我慢していたけど、


もう限界で、肩が震えてきちゃった。


震えを止めようとして両腕で自分を抱え込んでいても、


それはどうしようもなくて、笑っているのがバレてしまった。


ゴツン。 イタッ!


頭をグーで叩かれた。


「バカになったら、どうするんですかっ!」


「いつまでも、笑ってるからだろ。 ほら、飯食いに行くぞ。」


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