赤い糸のその先は…。

「室長! 前から言おうと思ってたんですけどっ。


そんなに、お兄ちゃんの傍にいる私が邪魔なんですか?」


「...ゆずったら、そんな風に私の事を思ってたの?」


あっ...室長の目がウルウルしてきちゃった? 言い過ぎたかなぁ。


別にイジワルを言うつもりじゃなかったんだけど、......泣かないで?


「私のゆずへの愛は永遠よ。 ゆずは大切な妹なのよ。


血の繋がった弟よりも、愛する裕也の妹のあなたの方が大事なのよ?


その証拠に、私はゆずの親衛隊の会長もしているでしょ?


ゆずに何かあったら、真っ先に私が助けにいくわ。」


一気にまくし立てたかと思ったら、ギューっと抱きつかれて、


「お姉さんが、食べさせてあげるわ。」って言いながら


課長からスプーンを取り上げた。


無情にも血の繋がった弟に対して、


「あんたはもういいから、あっちに行ってなさい。」


...って、シッシッって犬を追い払うように課長をあしらってしまった。


課長は呆れながら食堂を後にした。  ちょと、可哀想...?
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