赤い糸のその先は…。
「何が言いたいのか分からんが、俺はお前に負ける気がしない。
佐伯ゆず葉は、カンタンな女じゃない。
お前の周りにいる馬鹿女と一緒にしないほうがいいぞ。」
「女は、俺が社長の息子だっていうと、簡単についてくる生き物なんですよ?
まぁ、そのうちにわかりますよ。 クックックッ。」
「無理だと思うがな。 アイツはちゃんと人間の中身を見れるヤツだからな。」
「なっ///」
「だから、お前は投げ飛ばされたんだろ?」
「くぅっっ///」
言い返せなくなった一条は、顔を真っ赤にしたまま、
振り返らずに何処かへ行ってしまった。
たいした自信家だな。
自分の中身が空っぽだという事に気付いてないのか?
ある意味、可哀想なヤツなのかもな。 同情はしないけどな。
だけど、若い分、暴走すると止まらないのかもしれないな。
きっと、一条グループの跡取り息子だっていう後ろ盾があるから
強気でいられるんだろう。
彼女も、護身術に心得があるかもしれないが、男に本気で押し倒されたら、
いくらなんでも華奢な彼女には抵抗出来ないだろう。
「用心しておくか。」