赤い糸のその先は…。
「うわぁ、可愛いっすね。 俺、幸田信也って言います。よろしくです先輩!」
なんだ? この軽々しいノリの新人は…。
これで、うちの会社に入社できたなんて信じられない。
まぁ、高卒の私が入社出来たぐらいだから、
入社試験って難しくなかったのかも。
ん?なんか、上から痛い視線が...。
チラッと視線の主を上目使いで見上げると、
ジーっと見下ろしてくる視線にぶつかった。
誰ですか?
「こちらの方はだね、
今朝から女子社員の熱ーい視線を独占しちゃってるイケメン君だよ。」
だからぁ、イケメンだけじゃ、わからないでしょ?
「いやだぁ、部長ったら、ちゃんと名前と役職を言わなきゃダメじゃない。」
やっぱり、心の声が室長には聞こえていたんですね。