赤い糸のその先は…。
ナンパ男の罠

お腹いっぱいになって、デスクに戻ろうとしていたら、


幸田くんが一人であたふたしていた。


「どうしたの?」


「ゆずちゃん先輩っ、どうしようぅぅぅうう。 うぅっっうっ。

会議で使う資料のコピーがまだ出来ていないッスよぉ」


「泣いてないで、ちゃんと説明して?」


聞けば、早めに昼食を済ませてコピーをしようとデスクに戻ってきたら、


デスクの上にあったはずの資料が消えて無くなっていたとか。


探し出すと、なぜかシュレッダー行きのボックスに入っていて、


おまけに、運悪くフロアのコピー機が故障中になっていたらしい。


「助けてくださいよぉおおお」


「わかった。 分かったから、少しは落ち着こうよ。 ねっ」


憎めない奴だし、たまには手助けしてあげようかな。


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