赤い糸のその先は…。
「ゆずっ! ゆずっ! 大丈夫かっ!」
ドンドンドンッ
ガタンッ
バタンッ
激しくドアを叩く音と共に、課長の叫ぶ声が響いた。
振り返ると、真っ先に現場に入ってきたのは課長だった。
課長は、凄く驚い顔をして一瞬立ち尽くしてしまったけど、
すぐに私の方に歩み寄ってきてくれた。
自分の脱いだジャケットと一緒に腕の中に優しく包み込んでくれた課長は、
傷ついた私をいたわるように背中を擦って、
それから安心させるように強く抱きしめてくれた。